平成30年2月に「葛飾柴又」が重要文化的景観に選定された記念イベントとして、平成31年3月4日~3月10日まで柴又帝釈天がライトアップされ、9日と10日は帝釈天でのプロジェクションマッピングのイベントが開催されました。
「重要文化的景観」とは?
まず「文化的景観」とは、文化庁のWebサイトによると下記のように定義されています。
地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの(文化財保護法第二条第1項第五号より)
文化的景観 | 文化庁
その「文化的景観」の中でも特に重要なものは,都道府県又は市町村の申出に基づき,「重要文化的景観」として選定されるそうです。その場所で固有の景観で歴史的な価値があるとみなされたものが選定されるということでしょうか。
平成30年10月15日の時点で,全国で63件の重要文化的景観が選定されていて、葛飾柴又は東京都では初めて選定された重要分的景観にあたるそうです。
葛飾柴又の文化的景観は、近世初期に開基された帝釈天題経寺と近代以降に発展したその門前を中心に、それらの基盤となった農村の様子を伝える旧家や寺社などの景観がその周囲を包んでいます。さらにその外側に19世紀以降の都市近郊の産業基盤や社会基盤の整備の歴史を伝える景観が広がり、水路の痕跡や道などもよく残っています。
柴又地域文化的景観保存の取組み|葛飾区郷土と天文の博物館 http://www.museum.city.katsushika.lg.jp/shibamata/
このように、葛飾柴又は地域の人々の生活、歴史、風土などによって形成され、それらを現在に伝える重要な景観地として評価されました。
柴又を散策していると明らかに用水路だった跡が分かります。現在も生活道路として主に歩きや自転車用の小道として活用されています。この用水路跡地を散策するのも柴又散歩ではなかなか楽しいです。
いよいよプロジェクションマッピング!
というわけで、本題にもどりプロジェクションマッピングについてのレポートをしたいと思います。ライトアップやプロジェクションマッピングのイベントについては、主に公立の施設などで張り紙がされていたようです。知り合いに聞いてもあまり知っている人がいなかったため、そこまでの混雑してないだろうと甘く見ていましたが、3月9日の19:00少し前くらいに到着すると、帝釈天の脇の江戸川に続く道に行列ができていました。プロジェクションマッピングは18:30 ・19:00・19:30・20:00の4回での実施で、各回が10分程度の上演とのこと。着いたらすぐ入れると思いきや、想定より混雑していたため19:30の回で見ることが出きました。
境内には500人ほど入れるようで、意外とスムーズに移動し待ち時間をあまり感じずに上演を迎えることができました。
音楽とともに、本堂の屋根をメインに映像が浮かび上がってきて、見ているこちらもテンションが上がってきました。
テーマは縁日の前夜の 「宵庚申 」
江戸時代に縁日の前夜「宵庚申」は大変な盛り上がりを見せたようで、縁日が立ち並び人があふれていたようです。それをプロジェクションマッピングを用いて復元さえるというのが今回のテーマ。
写真だけだと伝わりずらく、やはり直接見たほうが数倍良いのですが、プロジェクションマッピングならではの立体的な視覚体験をまずは楽しみます。
だんだん演出が盛り上がってきた、ここが一番カラフルでお祭りのイメージに近いでしょうか。カラフルな極彩色の本堂に、下から蝶がが飛び立っていく様は本当にきれいでした。
最後は花火でフィナーレを迎えます。本堂とその隣の木を舞台に色とりどりの花火が打ちあがりその名残で屋根に光が伝っていきます。
プロジェクションマッピング初体験の10分間はあっという間でした。もっと見ていたいといういたいと思いましたが、この短時間のはかなさが、江戸時代に思いをはせる夜にはちょうど良い気もしました。
今年初めての試みだったようで、この先でもあるのかはわかりませんが、ライトアップはたまにやっていただけると夜の柴又の楽しみが増えるのでぜひ不定期にでも実施してもらえると嬉しいなーと思いました。
Youtubeにアップされていたので動画はこちらから。